http://www.h6.dion.ne.jp/~tonoroom/katakoto/original_keyboard/original_keyboard.html

1万2千円で売っていますね。今まで売ってるか分かりません。




オリジナル・キーボードの製作動機


最近、キーボードに魅せられ、結構な数のキーボードを買い漁っている。
其々のキーボードに様々な打鍵感、打鍵音、キー配列等の個性があり、其々私を魅了する。
そんなキーボード達と戯れているうちに、こいつ等の良い所(あくまでも私の主観)が全部集まったキーボードは無いものだろうかと考える様になった。
でも、そんな私の好みに合ったキーボードが、ある筈(あったとしても簡単にめぐり合える筈が)が無く、無い物ねだりで落款の毎日であった。

「無いのなら作ってしまえ」。すごく短絡的な考えであるが、構想を練っているうちに「何とか成るんじゃないか?」と思えるまで企画がまとまって来た。







オリジナル・キーボードの構想


私が欲しているキーボードとは、どんな物か。家で使うのがメインであるので、メールやサイトの更新が主な用途である。其れならばテンキーは不要。コンパク トなキーボードが良い。キー配列と筐体のサイズは”Happy Hacking Keyboard Lite US”が良い。
メイン基盤は手持ちの”Happy Hacking Keyboard Lite US”の物を用いる。

キースイッチは何と言っても”Cherry MX 黒軸”。此れだけは譲れない私の拘りのキースイッチ。
メンブレンで製作するのは困難であり、キースイッチが単体で独立しているメカニカルスイッチの方が容易であるのも事実であるが・・・。
キースイッチは、オークションで入手した、Cherryフランス語配列(使いあぐねていた)のキーを用いる。

”KEYTORONIC”のあの湾曲した”カーブド・スカルプチャー”配列が何とも良い。指の運びを極自然にしてくれてストレスを感じさせない。
キーキャップは、Cherryスイッチを使うので自然とCherryになるが、Cherryのキーキャップには元々ステップ・スカルプチャーの段差が付い ているので、シャーシに付ける角度は、一段毎に3°程で良いだろう。

シャーシは鉄板が良い。
PCB基盤に半田付けされたままのCherryスイッチをメイン基盤部分だけカットして使う事も考えたのだが、キーボードを分解してPCB基盤を取り出し てみるとかなりふにゃふにゃで、専用のケース内に収めないととても使えた物で無い。カーブド・スカルプチャーの湾曲を施す事も出来ない。
そこで、鉄板でシャーシを製作する事にした。工業用の工作機械を使う贅沢至極のシャーシである。
まず、シャーシの設計。CADを使って、キー配列を書き込み、カーブド・スカルプチャーの湾曲を加える。
前後を下に曲げて箱型にして、シャーシ、筐体の一体型とする。用いる素材は1.5mm厚のステンレスを選択。







”Happy Hacking Keyboard Lite US”のコードを解析


下記は、”Happy Hacking Keyboard Lite US”を分解して、メンブレン・シートの配線を読み取った解析表である。
下層のシートの8箇所のコネクター部を左から”1~8”とし、上層のシートの14箇所のコネクター部を左から”A~N”とした。
記入されていない箇所は、使われていなかった箇所である。
実際にPCに繋いでショートさせれば埋まって行くが、結構な手間である(ゲームパット等の割り当て機能を使うとショートしても表示されないキーを見つけら れそう)。



”Happy Hacking Keyboard Lite US”コード解析表

A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
M
N
1




B
N
\


space


alt-R

2


X
C
V
M

.
,
return
shift-RZ

win-R
3




G
H
'




esc
alt-L

4
win-L

S
D
F
J
;
L
K
\

A


5




T
Y
[

]
del
shift-L
tab


6


W
E
R
U
P
O
I


Q


7


2
3
4
7
0
9
8


1


8

control


5
6
_

=


^

FN



kibann_01

コード解析を行ったプリント基板。







”Happy Hacking Keyboard Lite US”のメイン基盤を使用

main_kibann

筐体が小さな物なのに対し、結構大き目な”メイン基盤”である。メーカー製の”HHK lite”の様には綺麗に収まらない。
筐体の奥を厚くして丁度、チルトスタンドを立てた状態にして、厚みを稼いで基盤を収める予定。







”Cherry FR”のキー・キャップを使用。キー配列を考える。

key_cap
↑製作中のキーボードのキー・キャップの配列。↓”HHK lite”
HHK

キースイッチに”Cherry MX 黒軸”を使う都合、キー・キャップも”Cherry”となる。
パーツ取りしたキーボードがフランス語配列であったので、基本的には、キーキャップはフランス語配列となる。
勿論、キー配列は英語であるので、キー・キャップの印字を信じてタイプすると文章に成らない。
無理やり”QWERTY配列”にしようとすると、キー・キャップ面の傾斜が目茶目茶になってしまうので、画像の通りの配列とする。”ENTERキー”に” 0”を使っているのは愛嬌と言う事で・・・。

実は、キー配列が決まっていない。”HHK lite”より、三個キーが多くなっている。足らないと困るし、要らなければ外せば良いとの考えだ。
キー配列が決まっていない理由は、HHKの配列に満足していないから。なるべく、通常の101キーボード配列に近づけたいと思う。
私の場合特に、英語キーボードをとっかえひっかえ使うので、特殊な配列にしたくない。

第一列目。”BackSpace”は”FN”で”Delete”として使う。
第二列目は、通常。
第三列目。”CapsLock”に何を割り当てるか思案中。”FN”か”BackSpace”が候補となっている。
第四列目。”右Shift”の右に”FN”を配置する。此れが無いと機能しない(HHKベースの宿命)。
第五列目。第三列に”FN”を配置しない時は、”左FN”を配置。何処かに”ESC”を付けなければならない。






”シャーシ”が完成。その剛性とキータッチを検証

chassis_01chassis_02

完成したシャーシ。大きさは、HHK lite がチルトスタンドを立てたサイズ。
剛性を出す為1.5mm厚のステンレスを使用し、前後のベンディングとカーブド・スカルプチャーのベンディングと、小さな筐体が強度を更に上げている。


original_keyboard_01

キースイッチとスタピライザー、キーキャップを装着した所。早速キーを打ってタッチを検証。
カチカチとした底付き感と音が何とも心地良い。既製品のもこもこした感じが全く無い。テーブルを直に叩いている様な感触。
スプリングの重さが其のまま伝わってくる。スタピライザーの動きも精度が高い為に、何処を押しても同じ重さで素直に沈む。
予想以上の仕上がりに正直興奮気味である。

キー配列は、加工寸前に変更して、上の画像になった。
HHK特有の”FNキー”があるが、なるべく通常の英語キーボードの配列に近づけた。

第一列目。”BackSpace”はディップスイッチでバックスペース。”Delete”は、”FN+チルダ”である。
第二列目。全て通常の英語キーボード。
第三列目。”CapsLock”に”BackSpace”を割り当てる。此れは結構便利と思われる。
第四列目。”右Shift”の右に”FN”を配置する。此れが無いと機能しない(HHKベースの宿命)。
第五列目。”プリンターキー”に”ESC”を割り付ける。正直、苦し紛れ!

”CapsLock”は、HHKでは、”FN+Ctrl”であり、単体でキーに割り付ける事が出来なかったので、”FN"にするか”BackSpace” にするか迷っていたが、使用頻度から考えると”BackSpace”を割り付けた方が良いと判断した。不都合が有ったら、直ぐ変更出来るので気が楽であっ た。



original_keyboard_02

サイドから見たキーキャップのカーブ。段毎に3度づつ曲げ、キーキャップのステップ・スカルプチャーに、更にカーブド・スカルプチャーを施してある。
手前をもっと低くしたかったのだが、加工の都合で此れが限界。


hannda

配線図の通り各スイッチをリード線で繋いで行く。此れが結構面倒で、リード線を20M要した。






ほぼ完成。仮配線でPCへ接続。機能テストを行う。

original_keyboard_03

この状態でテストを行ったら、ショートしないスイッチが二つとマウスが機能しなくなった。
ショートしていないスイッチは、半田をやり直し、マウスが機能しないのは結構悩んだが、切り替え機を通さずPCに直にケーブルを繋いだ事が原因と判明。
何とか、正常に機能する様になった。実はこのレポート、早速このキーボードで打っている。
キータッチは、前にも述べたが、「絶品」としか表現出来ない。”CapsLock”に”BackSpace”を割り当てたのは、正解だった。此れはかなり 便利。

後は、リード線を綺麗に揃え、基盤を筐体内に収めれば(収まれば)完成である。


original_keyboard_04

裏返すと、こんな事になっている。リード線が二~三本、一度に外れたら結構悩むだろう!






完成!

original_keyboard_05

ケーブルと基盤が結構綺麗に(?)収まった。基盤は筐体に両面テープ止めだが、結構しっかりしているので良しとする。
PS/2 ケーブルは、筐体にナイロンストラップで固定。引っ張って基盤に負荷を掛けない為。


original_keyboard_06

前の画像と同じに見えるが、右側からPS/2ケーブルが伸びている。此処で完成を宣言しても良いだろう!
構想から製作終了まで、結構な時間が掛かったが、実質の製作時間はさほどでも無かった。
此処で改めてシャーシの製作にあたった方々に感謝します。忙しい中ホントに!
このサイトで紹介した自作物の中で、最高の出来と自負している。
今度は、フルサイズを作りたいと言ったら「いい加減にしてくれ」と言われそう!





profile

알프스는 진리입니다. 

힘겹게 알프스 등반 중!